S様邸 上棟。
5月8日 よく晴れたこの日、S様の上棟を行いました。
遠くには、駅前のタワーも見えますなあ。
こういった景色が楽しめるのは、この仕事に就いたちょっとした贅沢です。
さて、上棟が始まりました。
施主様もワクワクしながら作業をご覧になられています。
ふつう皆さんは、住宅の工事現場は、ちょっとした非日常ですね。
クレーンの動きを見たり、足場の高い所に登ったりするのは、ワクワクしますね。
私の場合、フツーに小学生くらいから現場を見ているので、ワクワクもありませんが、それでも上棟の緊張感だけは、特別なものがあります。
今回、うちの新人の松岡は、はじめての上棟でかなり緊張しているようでした。
今は、工場で仕口を加工しますが、ホンの10年くらいまでは、大工さんが全て手で加工していました。
木組みも大工が考えていました。
だから、一つ寸法が違えば家ができませんから、上棟は大工にとっては正念場だったのです。
逆に腕のいい大工にとっては、腕の見せどころだったのです。
だから、わざと他の大工が混乱するような難しい木組みをしたりするのです。
ギャラリーも今とはちがいます。
近所や親戚中が集まり、男衆は、職人を手伝い、女たちは、炊き出しをします。
家の立ち上がりを近所、親戚が見ているのです。
そして「あそこの組の親方は、腕がいい。今度家を建てる時は、あの親方に頼もう」となるわけです。
それこそ上棟は、大工の晴れ舞台でもあり、営業の場でもありました。
子供の頃は、夜父が賜り物やおみあげをもらって帰ってくるのが楽しみでした。
職人にとって良い時代でした。
この20年多くの大工さんが廃業されたり、メーカーの下請けになっていくのを見てきました。
にもかかわらず、こうして私の名前で仕事をさせて頂けるのは、本当にありがたいことだなあとつくづく思います。
当社は、私が社長になった当時と比較すると売上げを倍にしてきました。
本当にありがたいことです。
これからも、もっともっとがんばりますので、応援よろしくお願いします。